【10月22日はキャットリボンの日】愛する猫ちゃんのために知ってほしい「乳がん」と「おうち検診」のお話
皆様、こんにちは。
アーバンペット葬儀社のわたなべでございます。
秋風が心地よく、空が高く澄み渡る季節となりました。今週は生憎の曇り空や雨の日もありましたが、気温は確実に秋が深まって行く感じがします。
皆様、そして大切なご家族であるペットちゃんたちと、どのような秋をお過ごしでしょうか。窓辺で日向ぼっこをする姿、お散歩で落ち葉と楽しそうに戯れる姿…。そんな何気ない日常のすべてが、かけがえのない宝物ですよね。
さて、皆様は10月22日が何の日かご存知でしょうか。
「ニャンニャン(22)」の語呂合わせから、毎月22日は「猫の日」として親しまれていますが、10月の22日は、それにもう一つ、とても大切な意味が込められています。
それが、「キャットリボン(猫のピンクリボン)の日」です。
「キャットリボン?」「ピンクリボンなら知っているけれど…」
そう思われた方も多いかもしれません。
この記念日は、人間の乳がん啓発活動である「ピンクリボン運動」の猫ちゃん版として、「猫の乳がんから、いのちを守る」ことを目指して制定された、愛と啓発の大切な一日なのです。
私たちアーバンペット葬儀社は、日々、たくさんのご家族様のお別れの場に立ち会わせていただいております。その中には、病気と懸命に闘い抜き、最期までご家族様の腕の中で頑張り抜いた子たちも、本当に多くいらっしゃいます。
お見送りのお手伝いをさせていただく中で、
「もっと早く、あの変化に気づいてあげられていたら…」
「痛みに気づいてあげられなくて、ごめんね」
と、後悔のお気持ちを涙ながらにお話しくださるご家族様のお姿を、私たちは何度も拝見してきました。
だからこそ、私たちは、お別れのお手伝いをするだけでなく、今、皆様のそばで元気に過ごしている大切なペットちゃんたちが、1日でも、1秒でも長く、健やかで幸せな時間を過ごせるための「きっかけ」をお伝えすることも、私たちの使命ではないかと感じています。
本日は、この「キャットリボンの日」に寄せて、愛する猫ちゃんを「乳がん」という病気から守るために、私たち飼い主に何ができるのか。少し長くなりますが、心を込めてお話しさせてください。
第1章:「キャットリボン(猫のピンクリボン)の日」に込められた願い
「キャットリボンの日」は、私たち飼い主が「猫の乳がん」について正しい知識を持ち、病気の早期発見・早期治療の重要性について、社会全体で認識を深めるために設けられました。
人間の「ピンクリボン運動」が、乳がん検診の受診を呼びかけ、多くの命を救うきっかけとなったように、猫ちゃんたちにも同じ光を当てたい。そんな温かくも強い願いが込められています。
私たち人間は、「なんだか調子が悪いな」「胸にしこりがあるかも…」と感じたら、自分の意志で病院に行くことができます。しかし、猫ちゃんたちはどうでしょうか。
彼らは言葉を話すことができません。
それどころか、猫ちゃんは本能的に、自分の弱さや不調を隠そうとする「我慢強い」動物です。ご家族様の前ではいつも通りに振る舞い、食欲が落ちていたり、痛みがあったりしても、ギリギリまで隠し通そうとします。
だからこそ、ご家族様がその小さなサインに気づいてあげることが、何よりも大切になるのです。
「キャットリボンの日」は、改めて愛猫の体に優しく触れ、その健康状態を見つめ直す「愛のアクションデー」であると、わたなべは思っています。
第2章:知っておいてほしい「猫の乳がん」という病気
「猫にも、乳がんってあるの?」
はい。犬や人間と同じように、猫ちゃんにも乳腺(おっぱい)があり、そこに腫瘍ができることがあります。そして、猫ちゃんの乳がんは、犬や人間のものと比べても、私たち飼い主が強く警戒しなければならない、ある特徴を持っています。
1. 猫の乳腺腫瘍は、「悪性度」が非常に高い
これが、一番知っておいていただきたい事実です。
犬の場合、乳腺にしこり(乳腺腫瘍)が見つかった場合、それが悪性(がん)である確率は約50%(半分が良性、半分が悪性)と言われています。
しかし、猫ちゃんの場合、乳腺腫瘍が見つかると、そのうちの約85%~90%が「悪性(がん)」であると報告されています。
つまり、猫ちゃんのお腹にしこりを見つけた場合、それは「極めて高い確率で、がんである可能性を疑わなければならない」ということです。
この悪性度の高さゆえに、猫の乳がんは進行が早く、リンパ節や肺など、他の臓器へも「転移」しやすいという、とても怖い特徴を持っています。
2. どんな子に多いの?(リスク要因)
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年齢:中高齢の猫ちゃん(平均10歳~12歳頃)での発生が最も多いとされています。しかし、これはあくまで平均であり、もっと若い猫ちゃんでも発症する可能性はゼロではありません。
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性別:圧倒的にメス猫ちゃんに多い病気です。(オス猫ちゃんも乳腺組織は持っているため、ごく稀ですが発症例はあります)
3. 予防のために、私たちにできること
猫の乳がんの発生には、性ホルモンが深く関わっていることが分かっています。
そして、この病気には、「極めて有効な予防法」が一つ、確立されています。
それは、「早期の避妊手術」です。
あるデータによれば、
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生後6ヶ月齢(初回発情前)までに避妊手術を行った猫ちゃんは、乳がんの発生率を 90%以上 抑制できる。
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生後1歳までに手術を行った場合でも、約85% 抑制できる。
と報告されています。
(一方で、2歳を過ぎてからの避妊手術では、予防効果はほとんど期待できないとも言われています)
もちろん、手術にはメリットもデメリットもありますし、ご家族様ごとにお考えがあると思います。ただ、「猫の乳がん」という命に関わる病気のリスクを大幅に減らすことができる、最も確実な医学的手段として、こうした事実があることを知っておいていただければと思います。
4. どんな症状が出るの?
猫の乳がんは、初期にはほとんど症状がありません。
痛がったり、食欲が落ちたりすることも、まずありません。
唯一のサインは、お腹や胸にある「しこり」です。
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「米粒くらい」「小豆くらい」の、本当に小さなしこりとして現れます。
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乳首の周りや、乳首と乳首の間などにできることが多いです。
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「元気そうだし、痛がらないから大丈夫」は、残念ながら猫の乳がんには通用しません。
この「無症状の小さなしこり」の段階で気づいてあげられるかどうかが、その子の運命を大きく左右するのです。
第3章:今日からできる「おうち検診(乳がんチェックマッサージ)」のススメ
では、どうすればその小さなサインに気づけるのでしょうか。
その答えは、ご家族様の「優しい手」にあります。
「キャットリボンの日」を機に、ぜひ皆様に習慣にしていただきたいのが、「おうち検診(乳がんチェックマッサージ)」です。
猫ちゃんがリラックスしている、一番気持ちよさそうな時間に行うのがポイントです。
【おうち検診の具体的な方法】
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タイミング:
猫ちゃんがあなたの膝の上でくつろいでいる時、撫でられてゴロゴロと喉を鳴らしている時、お腹を見せて寝転がっている時などがベストです。決して無理強いはしないでくださいね。
「今日も可愛いね」「大好きだよ」と、優しく声をかけながら行うと、猫ちゃんも安心します。
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チェックする場所:
猫ちゃんの乳腺は、私たちが思っているよりも広い範囲にあります。
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前足の付け根(脇の下あたり)から、後ろ足の付け根(内股あたり)まで、左右に4対(合計8個)の乳首が並んでいます。
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チェックするのは、乳首そのものだけでなく、その周りや、乳首と乳首の間の皮膚の下です。
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触り方(これが一番大切です):
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しこりを探そうと、指先で「つまむ」ように触るのはやめましょう。猫ちゃんが嫌がりますし、小さな変化に気づきにくいです。
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正解は、「手のひら全体」や「指の腹」を使って、皮膚の表面をゆっくりと滑らせるように、優しく撫でる」ことです。
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皮膚と、その下にある筋肉や肋骨の間を、そっと撫でるイメージです。
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脇の下から内股まで、左右両側を、ゆっくりとマッサージするように触れてみてください。
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チェックポイント:
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「しこり」:今までに無かった硬いもの、米粒や小豆のような「コリッ」としたものはありませんか?
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「腫れ」:片側だけが腫れぼったくなっていませんか?
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「熱感」:触れた時に、他と比べて熱を持っている感じはありませんか?
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「乳首の変化」:乳首が赤く腫れたり、何か分泌物が出たりしていませんか?
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【もし、しこりを見つけたら?】
まず、絶対にパニックにならないでください。
良性の腫瘍(乳腺症など)である可能性も、もちろんあります。
しかし、先ほどお話ししたように、「猫の乳がんは悪性度が高い」病気です。
「元気そうだから、もう少し様子を見よう」は、絶対にいけません。
そのしこりが1mmでも小さいうちに、できるだけ早く、動物病院を受診してください。
獣医師さんには、「いつ頃しこりに気づいたか」「大きさはどれくらいか」「硬いか、ブヨブヨしているか」など、気づいたことを正確にお伝えください。
この「おうち検診」を、例えば毎月22日の「猫の日」や、ご自身の決めた記念日など、月に一度の習慣にすること。それこそが、愛する猫ちゃんを救う最大の武器になります。
第4章:私たちがお見送りの現場で見てきたこと
アーバンペット葬儀社のわたなべとして、このお話をしているのは、やはり、たくさんのご家族様の「想い」に触れてきたからです。
数ヶ月前、15歳のアメリカンショートヘアの「ミミちゃん」(仮名)のお見送りをお手伝いさせていただいた時のことです。
ミミちゃんは、最期は乳がんが肺に転移し、苦しい呼吸の中、ご家族様に見守られて旅立ちました。お別れのセレモニーの間、奥様はずっと涙を流しながら、ミミちゃんの体を優しく撫で、こうおっしゃいました。
「この子のお腹にしこりを見つけたのは、1年半も前だったんです。ほんの米粒くらいで、本人(ミミちゃん)は痛そうでもなかったし、元気にご飯も食べていたから…。もう高齢だし、手術で怖い思いをさせるのが可哀想で、病院に行かずに様子を見てしまったんです」
「でも、そのしこりは、あっという間に大きくなって、半年後には皮膚が破れて血が出るようになってしまいました。慌てて病院に連れて行きましたが、その時にはもう、肺にも転移していて…。最後は本当に苦しそうで…。『ごめんね、ミミちゃん。もっと早く病院に行けば、こんなに苦しませずに済んだかもしれないのに』って…。後悔ばかりが残ってしまって」
奥様のそのお言葉は、私たちの胸に深く、重く突き刺さりました。
一方で、私たちは、早期発見によって救われた命のお話もたくさん知っています。
「小さなしこりですぐに手術をして、その後5年以上、元気に過ごせました」というご報告を、以前お見送りした子の飼い主様から伺うこともあります。
お見送りは、いつか必ず訪れる、とても悲しいけれど、尊い時間です。
その時に、私たちが願うのは、ご家族様が「この子のために、やれるだけのことは全てやった」「たくさんの幸せをありがとう」と、深い愛情と感謝の気持ちで、穏やかに送り出してあげられることです。
「あの時、こうしていれば…」という後悔を、少しでも減らしていただきたい。
日々のペットケアやシニアケアの重要性については、私たちも深い信頼を寄せている、江戸川区のペットケアサービスLet’s(株式会社レッツ)の代表、三浦裕子様も、常々その大切さをお話しされています。三浦様のような、日々の生活の質(QOL)を守る専門家の視点からも、病気の「サイン」にいち早く気づいてあげることの重要性は計り知れません。
結論:愛する家族の「いのち」を守るために
「キャットリボンの日」は、猫の乳がんという病気の怖さをお伝えする日であると同時に、愛猫との「触れ合い」がいかに大切かを再認識する日でもあります。
膝の上でゴロゴロと喉を鳴らす、その温もりを感じながら。
柔らかい毛並みを撫でる、その優しい時間の中で。
「おうち検診」は、決して難しい医療行為ではありません。
それは、ご家族様にしかできない、最高の「愛情表現」であり、「いのちを守る習慣」なのです。
このブログが、皆様と愛する猫ちゃんとの絆をさらに深め、健やかで幸せな毎日を一日でも長く過ごすための一助となれば、わたなべとして、これ以上の喜びはありません。
私たちアーバンペット葬儀社は、万が一のお別れの時にはもちろんのこと、皆様がペットちゃんと過ごす「今、この瞬間」が、後悔のない、愛に満ちた時間でありますよう、心から願っております。
もし、お見送りのことでご不安なことや、ペットを亡くされた悲しみを誰かに聞いてほしい時、いつでも私たちにご連絡ください。私たちは、いつでも皆様の心に寄り添っています。
アーバンペット葬儀社
ウェブサイト: https://420160.co.jp/
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